2010/08/05

R君とザンザン降りの雨

保護者の強い要望で3歳から受け入れたR君は、重い障がいを持っていました。ある施設の方に「こんなに障がいの重い子を、ふつうの幼稚園に入れて何が育つ」と厳しい批判を受けたことがありました。いつもゴロゴロと寝っころがり、保育室でおしっこやうんちをしてしまうR君。トランポリンを子どもたちがゆさぶってくれるのをとても喜び、あまり立ち上がってジャンプを楽しむことのなかったR君。
入園して2カ月たったある日、R君はザンザン降りの雨の中をヒョコヒョコと園庭に出て行きました。担任の先生が慌てて追いかけ、部屋に戻そうとしました。しかし、そこに座り込み、水たまりに手を入れて、嬉しそうに動こうとしません。仕方なくR君にカッパを着せ、先生もカッパを着て、傘をさして30分くらい付き合っていました。すると、R君は自分からスタスタと部屋に戻っていきました。翌日から、R君はその先生をとても意識し、今までどんなに努力をしてもできなかった心の交流がはじまったのです。自分のことで精一杯な3歳児たちも「Rくん楽しかった?」「R君は、カエルやカタツムリと仲よしなのかな」と、クラスの仲間として迎えはじめました。

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