2015/2/17
自立するって!
根気とユーモアで、子どもに成功感や満足感を
4~5月の新年度当初のトイレは、3歳の年少児にとって時間といろいろな個別の配慮が必要な活動のひとつです。まだまだ失敗が多い年次であり、スボンや下着を全部脱いで用を足す子どもも大勢います。
年少児のトイレには時間がかかる
- トイレ前はいつも混雑
あるときのことです。用が足せてズボンもはけていて、見たところバッチリ完了!! でも足元を見ると、パンツがひとつ残っていました。パンツをはかずにズボンをはいてしまっていたのです。もう一度、ズボンを脱いでパンツをはいてとやり直しました。
またある子どもは、パンツをはくため一生懸命に頑張っていますが、どうもうまくいかない様子。どうしても同じところに足を入れてしまい、困っていました。何とかもうひとつの穴をみつけ、足が通せてホッとしながらやっとパンツがはけました。
でもよく見ると、パンツが後ろ前になっています。「あらあら、これではね……」とまたやり直しです。一回のトイレで、なんと時間のかかることでしょう。
子どもの喜び体験を増やす
- 子どもに上手に手を貸してあげる
こうしたことは、年少児の生活の中ではよく起こることで、6月ごろまでは4歳の年中児にも見られます。大人は簡単に「これではだめね」とすぐに直してあげたり、やり直しをさせたりします。でも、子どもにとっては懸命にやった努力が無になってしまいます。
こういったことが度重なれば、やろうとする意欲をなくしてしまうこともあるでしょう。一人でやろうとする様子が見られたら、上手に手を貸して「あっ! そうか」「やれた……」といった喜び体験を増やしてあげたいですね。
発達の様子によっては、パンツやズボンに分かりやすいよう「しるし」をつけてあげることが必要な場合もあります。ちょっとした心づかいで、子どもの努力を成功感、満足感へと広げたいものです。根気とユーモアで自立を喜び合いましょう。なお、名前もしっかりと書いておいてくださいね。
人としての尊厳を大切に
- 人としての尊厳を守り、支援する
最近ではバリアフリーも手厚くなり、老人介護のあり方も変わってきています。その人の行動力をしっかりと発揮でき、人としての尊厳を守り、支援する方向で実践され始めているのです。
小さな子どもと老人介護を同列で考えてはいけませんが、人は生まれてから死を迎えるまで、いつも人としての尊厳を守られなければならないと改めて思います。今を一生懸命に生きる保障こそ最も大切なことだと、3歳の子どもに向き合うこの時期、心に誓う毎日です。