2015/10/20

土粘土で何作ろう!!

子どもの意欲が発揮された作品

毎年11月になると、年長児は土粘土に挑みます。指先でちぎった土粘土を、丸めたりつぶしたりして感触を楽しんだ年少時代。大好きな動物づくりを楽しんだ年中時代。年長は、こうした経験と日ごろの遊びや運動会の体験を生かして、作品を作ります。

お互いに刺激を受けて作品を作る

年長児のテーマは「○○をやっている自分」です。自分の身体の部位を意識してその動きを感じつつ、1.5kgの土粘土をひねり出したりくっつけたりします。友だちの制作の様子もチラチラ気にしてお互いに刺激を受けながら、1時間くらいかけて作品を完成させていくのです。
「○○してるところに決めた」と取り組むも、どうしてもイメージ通りにできあがらず「やっぱり△△にしよう」と作れそうなものに変えていく子。「ねぇ、どうやってくっつけた」と友だちに聞いてみる子。何とかしようと工夫している子。作りながら、もっとこうしたいという思いを膨らませていくようです。毎年のことながら「さすが年長さんだね」と、その育ちに感動します。

友だちの作り方を見て学ぶ
友だちの作り方を見て学ぶ

子どもと共に土粘土と向き合う

子どものもつイメージが形になる
子どものもつイメージが形になる

私たちは、子どもたちと向き合って指導をしません。「並び見」の関係で、様々な瞬間につき合っていきます。例えば、土べい(どろどろの粘土)で何度くっつけても、すぐにとれてしまうパーツがあります。それに悪戦苦闘している子どもには「○○くんのをちょっと見てごらん」と、うまくいっている子どもを見るように声を掛け、何故うまくいかないか気づくチャンスにつなげます。あるいは、ほんの少し手をそえて「あっ、うまくいったね」とやる気が出るようにします。
土粘土は何度でも作り直しができます。また、作っているうちに偶然できた形に触発されてイメージが広がりやすいことも、子どもにとっては嬉しい教材です。作ったりつぶしたりを大切に見守ることで、私たちも一緒に楽しめます。子どもと共に土粘土と向き合う中で、子どもが意欲を発揮して「できた~」「よかった~」「うまくいった~」と完成を喜ぶ笑顔は、私たちの喜びです。これこそ、自分は頑張れる子、やればできる子という自己肯定感につながるのだろうと思います。

☆ 作品に接する際には……

できあがった作品には、子どもたちのたくさんの思いがつまっています。優劣はつけられません。子どもたちは、その内面にある「見せたがり、知りたがり、話したがり」といった気持ちに気づいてくれているか、いないかに実に敏感です。作品をごらんになる際には、年少、年中、年長と育つ姿、そして作品に込められた思いに共感し、子どもに言葉をかけていただくことを願っています。

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