2012/4/17
いろいろを理解し合って!
幼児期はトラブルを育ちにつなげていく時代
- 子ども同士で作る
連帯感や信頼関係
人が集まれば十人十色。さまざまなことが起こります。特に、幼児期の子どもたちは好奇心旺盛です。相手への関心や興味を、言葉や身体を使って直接的に自己主張し合うため、対立やすれ違いなどのトラブルが発生します。つまり「ケンカ」が起こるのです。
しかし、思い通りにならない現実や葛藤を何度も体験し、やがて子ども同士で少しずつ連帯感や信頼関係を築きあげていきます。幼稚園では、保育者が手助けをすることもありますが、基本的には子ども自身が生活を広げていきます。年少、年中、年長と徐々に大人の手を離れ、自分たちで解決できることも増えていくのです。
友だち関係を成立させるには、相手の気持ちを分かろうとしたり、親しみをもって接したり、自分の思い通りにならないことがあることを知ったり、我慢したり、ゆずったり、相手に伝える表現力を身につけることが必要です。こうした力は、子どもの生活の中で起こるたくさんのトラブルを通して、鍛えられ身についていきます。
大人はトラブルはない方がいいと考え、仲良くすることを最優先にしがちです。しかし、成長していく過程でその時々に困ったり、悲しんだり、甘えたり、喜んだり……と心がゆれ動くことは、心豊かに育っていくためには大切なことです。
- トラブルを通して、心が鍛えられ、豊かになる
ぶつかり合いながらも、理解し合っていく
さて、子どものトラブルをめぐっては、保護者のみなさんと私たち保育者とでは、その捉え方が異なることもあります。特に「いじめ」が社会問題となり、対人関係に不安を感じて過敏になっていることもあり、子どものトラブルが問題視されることが多くなってきています。
竹の子幼稚園では事実をふせたり、あいまいにしたり、一方的な捉え方をしたりはしません。「集団生活の中で、トラブルが起きることは自然」ということを、できるだけ丁寧にお話ししています。
- 子どもの育ちに寄り添って
問題が発生した時には、保護者のみなさんと私たち保育者とが、子どもの育ちにしっかりと寄り添って、少し先を見通して解決策を見い出していく努力をしたいと考えています。個人的な対応はもちろんですが、懇談会のテーマにすることもあります。保護者のみなさん同士も支え合い、子育てのヒントを出し合えるといいですね。
子どもたちは、素直にお互いの主張を通してぶつかり合いながらも、相手を理解し関係を何度でもつくり直していきます。この姿は、大人が学ぶところだと思います。幼児期は、トラブルを育ちにつなげていく時代ではないでしょうか。「いろいろであることは、素晴らしいことだ」と思える信頼関係をつくっていきましょう。