2012/11/20

対話ができる、心が動く

言葉のキャッチボール、心のキャッチボール

対話のできる関係が子どもの心を大きく育てる

「水が半分入っているコップを見て、言葉でどう表現しますか」

対話のできる関係を築く
対話のできる関係を築く

これは、数年前の幼稚園と小学校との合同教員研修で、講師の先生が参加者に投げかけた第一声です。参加者の多くがイメージしたのは「半分しか入っていないコップ」という答え。この日の研修は、この「半分しか入っていないコップ」から始まりました。

「事実の表現としては、間違いではありません。しかし、このひとつの見方だけでいいでしょうか。『半分も入っているコップ』という見方もできますよね。子どもの仕草を見たり、言動を聞いたりして『乱暴な子』『優しい子』と決めつけず、他の見方はできますか。テストで60点の答案用紙に対して『60点しかとれなかった』と、できなかったことを見るのか『60点もとれた』とできたことを見るのかで、その後の対話が成立していくかどうかが決まります。子どもの心を大きく育てていくためには、ありのままの姿を受けとめ、対話のできる関係を築くことです」と本題に入っていかれました。

親が心を開けば、子どもも心を開いてくれる

子どもたちにとって、自分が受け入れられていないと感じることは、大人が思っている以上に悲しくて淋しいことです。親と子ども、保育者と子どもという関係で最も大切なのは「親や保育者が子どもを受け入れている」ということを、子どもに向かって積極的に発信していくこと。つまり、言葉にしたりして分かりやすく伝えていくことが大切なのです。

お昼前に子どもが「お腹すいたよ」と言ったとき「そう、お腹がすいたのね」と受けとめるのと「まだお昼になってないのに、お母さんが忙しいときにいつもそう言うんだから」と受けとめるのとでは、子どもの心に残るものが違ってきます。
子育てでよく使われる“心のキャッチボール”をするためには、親や保育者が心を開いて子どもの心を理解する姿勢が欠かせません。そうすることで、子どもが本当に心を開いてくれるだろうと思います。
子どもを「そう、お腹がすいたのね」と受けとめることで、会話は次へと進むでしょう。言葉のキャッチボールがつづき、本当の心のキャッチボールができるようになっていくでしょう。

心のキャッチボールができるように
心のキャッチボールができるように

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