2013/1/22

よく遊び、食べ、寝る

この三つが子どもの生活のすべて

子どものホルモンの病気である「小児内分泌」を専門にしている小児科医の先生が書かれた新聞記事を興味深く読みました。この先生は、子どもの背の伸びが悪いんだけど……など、子どもの成長に関する相談を受ける中で、子どもたちの日常生活に関心を持たれたようです。

身体をしっかりと動かす
身体をしっかりと動かす

「例えば身長について考えてみます。身長というのは遺伝的な素質(背の高さも親に似るといったこと)の影響も大きいが、その素質を十分に発揮できる環境(日常生活)がとても大切だというのです。こどもの成長はいろいろな要因が絡みます。これさえやれば背が伸びるというものではないのです。遺伝的な素質を十分に発揮させる生活とはその子の伸びる力を妨げない生活です。それはよく遊び、よく食べ、よく寝るということ。特に乳幼児期は遊ぶ、食べる、寝る、この三つが一日の生活のすべてではないか。夜深くていい睡眠をとると成長ホルモンが多く分泌されるのです。『寝る子は育つ』は科学的に裏付けがあるのです。遊ぶ、食べる、寝るという順番にも意味があります。まず昼間にしっかりと遊ぶ。手先を使った細かい動きを必要とする遊びは脳の発達を促し、身体を使ったダイナミックな遊びは骨や筋肉を丈夫にします。と同時におなかがすきます。食事をしっかり食べることにつながります。昼間の疲れが出て夜は早くぐっすり寝る。そして朝早く目覚め朝から元気が出る。こんな一日のサイクルが子どもの成長に大切です」

しっかり食べる
しっかり食べる

これは成長に悩む子どもたちだけではなく、どの子にもあてはまると思いました。3歳で年少入園する子どもは、集団生活が始まったとはいえ一年間、保育者からいろいろな援助を受けながら、みんなと一緒に過ごすという体験を積み重ねていきます。遊びも広がり、人との関わりも体験的に学んでいきます。
年中になっても、そうすぐにあれもこれも自立はしません。まだまだ遊びに保育者がしっかりと関わり、ルールを確認したり、道具の使い方を深めたりしていきます。しかし子どもたちは「ぼく自分でできるよ」「私これやってみる」と成長している自分をみせびらかしたい気持ちでいっぱいです。
年長児になると、園庭でも保育室でも少しの援助、きっかけ、環境があれば、子どもたちは自分自身で遊びと生活の場を広げていきたいと思うようになります。そして保育者があまりにもどっぷり介入することを必要としない、自立した行動が増えてきます。保育者の役割も、子どもの気分や成長と共に変化を求められているのです。

園生活と家庭生活の連携で、子どもが安定して育つ

美味しく食べて元気になるように
美味しく食べて元気になるように

竹の子幼稚園の子どもたちは、給食をとても楽しみにしています。よく遊び、よく活動し、お腹の空くころに、食欲を誘ういいにおいが園内中に漂います。入園したころは小食だった子どもも、すぐにおいしそうによく食べるようになっていきます。
子どもたちの一日のサイクルの半分程を、園生活が受けもっています。残り半分をご家庭としっかり連携していかなければ、子どもは安定して育っていきにくいだろうと改めて実感しています。
子育てのご苦労や喜びをお互いに励まし合うように語られる保護者のみなさんから、大いに学ばせていただいています。たくさんのご意見は、保育を豊かにできると受けとめています。

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