2013/6/18

自分らしさが愛されて

自尊感情や自己肯定感を育む

『かわいい』ーー母の口をついて出てきた言葉は、そこに居合わせた人々の予期に反するものだった。(中略)母が、ボクに対して初めて抱いた感情は「驚き」「悲しみ」ではなく「喜び」だった(乙武洋匡『五体不満足』講談社)

生まれつき手と足がない状態である先天性四肢切断で誕生した乙武さんに対して、お母様が初対面で発した「かわいい」の言葉が、その後の彼の人生を大きく方向づけたと言われています。

その子らしさを受け止め愛すること

一人一人を受け止める
一人一人を受け止める

テレビなどで拝見する乙武さんの姿は、実にポジティブで魅力的。人生を自分らしく生き、また活躍していらっしゃいます。お母様の言葉は、自分らしさを丸ごと受け止められた象徴的で大切なものとして、彼の心に強く秘められてきたのでしょう。

乳幼児期に大切なことをひとつ挙げるようにと言われたら、私はまさにこのことを挙げるでしょう。「自分が自分らしくあることを大切にされること」あるいは「愛された実感が持てるように関わられること」。
しかし私たち大人は、子どものことをついつい「できた・できない」で見がちではないでしょうか。どうしても「できない」ことや他の子と比較してしまうことが少なくありません。わが子が可愛いと思っていても、叱ったり、いら立ったりすることもあり、時には人格を否定するような叱り方をしてしまうこともあるかもしれません。

子どもは自分らしさがそのまま受け止められ、しっかりと愛されていると実感したときに、自尊感情や自己肯定感が育まれ、のびやかにポジティブになれるといわれています。この経験と育ちが、困難を乗り越える力になったり、生きる力や学ぶ力の根っこになったりするでしょう。
乙武さんの前述の言葉は、そうしたことを私たちに教えてくれているように思います。

他の子と比較せず、その子らしさを見る
他の子と比較せず、その子らしさを見る

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