2014/2/4
どうして「こ食」はいけないの?
楽しい食事で学ぶコミュニケーション力とマナー
- マナーを身につける食卓
食事は私たちの身体を大きくするためだけでなく、人として心豊に育つためにとても大切な学びの場です。今回は、日本子ども家庭総合研究所母子保健研究部栄養担当部長の堤ちはるさん著『子どもたちの食の現状と家庭・園で行う食育とは?』を紹介します。
竹の子幼稚園では、お当番活動も含め給食をとても大切な生活習慣として位置づけています。
「こ食」の弊害と共食の大切さ (引用文献)
ひと言で「こ食」といっても、さまざまな「こ食」があることをご存知でしょうか?
・孤食:一人きりで食べる
・個食:家族一緒に食べれるけれど、食べているものがそれぞれ違う
・子食:子どもだけで食べる
・小食:ダイエットのために食事量を制限する
・固食:同じものばかり食べる
・濃食:濃い味つけのものばかり食べる
・粉食:パン、めんなど粉からつくられたものばかり食べる
以上、七つのこ食をあげましたが、それぞれに弊害があります。特に幼児では、「孤食」や「子食」は食事のマナーが身につかなかったり、好きなものだけ食べたりしがちです。食卓でのコミュニケーションの場も失われてしまいます。食事マナーは、その場その場で正していかないと身につかないものなのです。
ー新奇性恐怖と食わずぎらいー
人間は、あらゆるものを食べて、人類の歴史を築いてきました。本来食べてよいものか悪いものかの判断をしないと、生き残れません。ですから、人間には初めて食べるものにはまず恐怖心を持ち、警戒するような防衛本能があります。これを「新奇性恐怖」といいます。子どもたちも初めて食べるものについて、恐怖心から食わずきらいになることがあります。ですから、そばで一緒に食べるおとなが「わあ、おいしい」「食べてみようね」などと声かけをすることが大切なのです。これも、普段一緒に食事をしていないとできないことです。
家族や先生方、お友だちと一緒に楽しい雰囲気で食事をすることは、子どもたちの食育にとても大切なことです。旬の食材を使った栄養バランスのよいおいしい料理を、子どもたちと一緒に「おいしいね」と声をかけ合いながら食べてみてください。そして、「だれかと一緒に食べることは楽しい」と感じ、「一緒に食べたい人がいる」と思う子どもたちを育ててください。
- 楽しい給食の時間
引用文献
日本子ども家庭総合研究所 母子保健研究部 栄養担当部長 堤ちはる 「子どもたちの食の現状と園・所で行う食育とは? 第2回『こ食』の弊害と共食の大切さ」(少年写真新聞社『ありがとうの きもちを つたえよう』338号、2012年、指導用解説付録) |
食卓で育まれる健康な体と心
- 共食が食わず嫌いをなくす
みなさんは、いかがお考えでしょうか。私は、この話を念頭に置いたうえで幼稚園での給食の場面を思い浮かべてみたとき、いくつか気になることがありました。食事の場面は、毎日3回は体験します。堤ちはるさんのご指摘をしっかりと受け止めたいですね。