2014/07/15

みんなで食べるとおいしいよ! たのしいよ!

食事を通して、生きる力を培う

「竹の子幼稚園の給食はすごくおいしいんだって!」「子どもたちが、とてもよく食べるんだって!」とお母さん方の間で話題になっているようです。しかし、献立表を見ていただければわかりますように、ごく普通の家庭料理であり、むしろ食材には野菜がタップリ使われています。ではなぜ「おいしいおいしい」と子どもたちが給食を楽しみにするのでしょうか?

子どもたちの食欲にびっくり!

幼稚園の給食は大勢の友だちと一緒で、もちろん栄養価も工夫されています。しかし、それだけでは食は進みません。
みんなでにぎやかに遊び全身を使って生活していると、お腹がすくころには園舎の中央の調理室から、いろいろな食材が調理されていく香りが漂ってきます。調理員さんの様子をガラス越しに見ながら、年長児たちは経験的に「あっ、これは○○のにおいだ!」と喜んで話します。

みんなで楽しい食事
みんなで楽しい食事

献立の中には苦手なものもあるでしょう。「これいらない、食べたくない」という子どもたちも、もちろんいます。そんなとき保育者が「どれを減らそうか」「食べたくなったら言ってね」と声をかけることで、子どもたちは少し安心します。

しかし食べ進めていくと、最後は苦手なもの以外に食べるものはありません。まだお腹がすいているうえに、隣に座っている友だちはおいしそうに食べています。すると「嫌い」と言っていたものにも挑戦する子どもが次々と出てくるのです。
毎年「幼稚園のにんじんはおうちのよりおいしい」などと話す子どもたちがいます。お誕生日会での親子会食では、子どもたちの食欲にびっくりされるお母さんも大勢いらっしゃいます。
玉葱やじゃがいもの植え付け・収穫、にんじんや大根の種まき・収穫も園生活の中に根付いています。労農体験を通して子どもたちは旬の野菜に触れ、それがすぐに食材として調理されるのです。「僕のじゃがいもだよ」「私の玉葱だよ」「このにんじんあまーい」「この大根おいしい」とごく普通に子どもの話題になります。

食事の大切さを実感してもらう

3歳までの味覚体験が単調だと、味覚の幅が広がらず偏食の原因になりやすいといわれています。加工食品は画一の味になりやすく、食材を活かすことが難しいのです。それに対して、調理したものの味は材料や火加減、さじ加減によって毎回微妙に違ってきます。
野菜嫌いの背景には、加工食品の普及が大きく影響していると指摘されています。調理抜きの食事は、便利さと引き換えに子どもの成長にとって大切なものを失うことになりかねないのです。
戦後間もなく始められた給食は、栄養補給のためのものでした(私はその給食で育ちました)。今、竹の子幼稚園で実施している完全自園給食では、出汁取りを含め全て園内で調理しています。これは飽食の時代の中で子どもが食事の大切さを実感し、生きる力を培うためといっても過言ではありません。食欲は「育つ力」です。保護者のみなさんはいかがお考えでしょうか。

食事の大切さを実感してもらう
食事の大切さを実感してもらう

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