2014/11/18
子どもはアンパンマンが好き!?
大人の「メンツ」を捨てて、子どもと向き合う
アンパンマンはまん丸としたアンパンの顔を持つヒーローです。しかし、一度水を浴びるとヘナヘナになってしまいます。おまけに、おなかのすいた子どもたちに自分の顔をちぎって食べさせてしまうため、しょっちゅう顔がめちゃくちゃになります。そんな「かっこいいヒーロー」とはかけ離れたアンパンマンを、どうして子どもたちは好きなのでしょうか。幼稚園教諭でありながら、ときどき不思議に思うことがあります。
あの顔が子どもたちの心を引き付ける
以前、保護者の方に「アンパンマンは商業ベースに乗せられているキャラクターだから、幼稚園では扱わないでほしい」とご指摘を受けたことがあります。しかし、私は「商業ベースに乗せられているから、子どもの育ちにマイナスになる」とは思えないのです。顔をちぎって与えた後のつぶれたようなぶざまな顔つきこそが、実は子どもたちの心を引き付けて止まないように思えるからです。
顔とは、すなわちメンツです。アンパンマンは自分のメンツがつぶれることなど全く気にもとめず、迷うことなく、子どもたちが求めるものを与えているのではないでしょうか。
- 子どもたちに正面から向き合う
本当にほしいものは何なのか考える
私自身を含め、大人は口では「メンツなんて」と簡単に言うものの、本心ではそればかり気にしているように思います。本当は、大人はメンツを捨てるのがいかに難しいことかを知っているのです。
ひょっとしたら、子どもたちはそのことをしっかりちゃっかり見抜いているのかもしれません。メンツをかなぐり捨てて、自分に正面から向き合ってくれる大人を求めているのではないでしょうか。子どもたちが「モノはあふれるほど与えてもらっているけれど、本当にほしいものは違うんだ」と訴えているような気がします。絵本やアニメの中で、動物や子どもたちが泣きべそをかいてアンパンマンに空腹を訴えるように。
アンパンマンに込められた平和への願い
- 平和の大切さ
作者の故やなせたかしさんは94歳のおじいさんでした。戦争体験の中で「平和こそ何にもかえることのできない、最も大切なものであること」を痛感されたそうです。「どのような戦争も、子どもたちを不幸にする。決してしてはいけないことだ」という思いで、アンパンマンを誕生させたそうです。子どもへの大きく深い愛情が伝わってきませんか?
私たち竹の子幼稚園職員一同、子どもたちの幸せな育ちを願い、メンツを捨てて努力を続けていきたいと思います。ご理解ご協力をお願いします。