2016/5/17

子どもとうそ - 嘘と違うウソ -

ウソをつかない子どもはいない

子どものうそには、大人が考えるような悪いと分かっていながらつく「嘘」とは違う、ついた自覚のない「ウソ」があるんです。

「ウソ」をつく子どもの気持ちを受け止める

例えば「おもちゃは片付けた?」と聞いたとき。実際はまだでも「早くやらなきゃ……」という気持ちがあると、片付け終わった自分が幻想みたいに出てきてやったような気になって、それで「やったよ」と言ってしまう。これが子どものウソのほとんどです。つまり、現実と願望の区別がはっきりしないことから起きているのです。だから、叱っても効果はありません。大事なのは「よっぽど片付けたくないんだな」とか「一緒に片付けたいんだな」とか、子どもの気持ちを受け止めてあげることです。

一人ひとりの気持ちを思いやる
一人ひとりの気持ちを思いやる

また、兄弟げんかで両方が「相手が先にやった」と言い張ることがあります。弟や妹が先にけんかの原因をつくったとしても、たたき返されたのが痛かったりすると「自分の方が被害者だ」という気持ちが強く、お兄ちゃんやお姉ちゃんが先にやったと思い込んでいるのかもしれません。その気持ちを「痛かったね」と受け止めて、子どもが落ち着くようにかかわるのが大切です。それは「だまされたふりをする」のとは違う、子どもの気持ちに届く接し方ですね。

「嘘」をつく子どもに伝えたいメッセージ

小学校の中・高学年にもなると、自分を守ろうとしたり悪いことをごまかそうとしたりして、本当の嘘をつくようになってきます。確かに、嘘をつくのはいいことではありません。人を傷つけるような悪質な嘘にはきちんと対応する必要があります。
だからといって叱れば解決ではありません。そういうとき、子どもの多くはつらい気持ちを抱えているかもしれないのです。「嘘なんてつかなくても、お母さんはちゃんとあなたのお話を聞くよ。いつもあなたの味方だよ」というメッセージを伝えたいですね。叱ると、余計嘘をつくようになることがあります。「怒らないから本当のことを言いなさい」などと言うことも多いと思います。そのときは本当に怒らないで、子どもの思いに共感して話をよく聞いてあげたいですね。ぎゅっと(そっと)抱きしめることも、言葉のいらない共感かもしれません。

子どもも思いも抱きしめる
子どもも思いも抱きしめる

「心のキャッチボール」を大切に

毎日子どもたちと接していて分かることは、うそをつかない子どもはいないということです。もちろん「嘘」とは違う「ウソ」です。「ここで見逃したら、嘘つきになってしまう。大変」と思われる方も多いでしょう。悪質な嘘をつくようにならないためにも、うそをついたという現象にこだわりすぎないで、子どもさんと「心のキャッチボール」をしっかりやり続けてほしいものです。そして「ウソ」なのか「嘘」なのか、子どもの気持ちをくみ取り、違いをよく見極めて対応したいですね。

子どもと心を通わせて
子どもと心を通わせて

幼児期はどんなときでもお母さん、お父さんに守られて安心して育つ時期です。いろいろな体験を成長につなげていける環境をつくりましょう。幼稚園がそういう環境になるよう、私たちも頑張ります!!

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