2018/11/20
子どもは三つの仲間と共に育つ
異なる年齢の子どもがかかわり合える環境
竹の子幼稚園には、子どもたちが自由に遊び過ごせる時間がたくさんあります。園内のあちこちで思い思いに過ごせるのは、子どもの育ちに欠かせない大切な環境です。
みんなが楽しく過ごせる環境づくり
ある日の園庭です。天気もよく、過ごしやすい日でした。保育者に大縄をまわしてもらい、長縄とびが始まりました。年長さんたちが並んで、嬉しそうに順番を待っています。その様子を、年中さんが見ていました。すると最後尾にいた女の子が「ここに並ぶ?」と、声をかけたのです。年中さんは嬉しそうに列に入っていきました。いよいよ順番がきました。年長さんのようにうまくとべませんが、保育者がその子に合わせて縄をまわすと1回、2回ととぶことができました。その後はすぐに並ぶことなく、年長さんが「20、21……」と連続でとぶ姿をじっと見ていました。
ドッジボールが始まりました。ボールに当たったらすぐに外野へ出て、次のチャンスのためにボールの行方に注目していなくてはなりません。このルールがゲームに参加する子ども全員に行き渡るまでには、少し時間がかかります。得意になってボールに向かっていく、投げることのできる子どもがいる一方で、当たってしまい、思わず悔し泣きをしたり、怒りがこみあげてしまう子、すぐにあきらめてしまう子などと、みんなでゲームを楽しめるようになるまでにも少し時間はかかります。
砂場でのダイナミックな水迷路あそびや泥だんご作り、コマまわしなども、幼稚園の自由に遊び過ごせる環境の中で育っていくのです。
- かかわり合いが生まれる園庭
三つの仲間
- 仲間と一緒だから怖くない
私たちは、子どもたちの成長のためには「三つの仲間」が必要だと思っています。それは年少・年中・年長の子どもたちが、共にかかわり合う中で生まれてくる仲間のことです。
ひとつは、共に競い合ったり励まし合ったりする同年代の仲間です。ときには言い合いになったり、ケンカになったりすることもあるでしょう。しかし対等な関係で、遠慮なく互角にぶつかり合うことのできる仲間です。
もうひとつは、憧れることができる年上の仲間です。この仲間の存在は、子どもたちの心の内に生まれる“めあて”の源泉なのです。「ああいう風になりたいな」「ああいうことができるように、早くなりたいな」という“めあて”が生まれてきます。
そしてもうひとつは、自分に憧れてくれる年下の仲間です。自分が年下から“めあて”にされていることは大きな喜びであり、自分への誇りの源です。年長さんたちは4、5月に、年少さんの給食準備のお手伝いに行ったり遠足で手をつないで歩いたりします。その姿からは「わたしは年長だからね」という、誇らしげな想いが伝わってきます。
子どもたちの成長に欠かせない、三つの仲間。これをしっかり保障できる環境こそが幼稚園なのです。