2019/7/16
大人は冷静な気持ちを保って!
子どものけんかで大人が気をつけること
子どもたちは集団生活の中でルールを守り合い、知恵を出し合い、真似をし合いながら遊びます。それにつれて、一人ひとりの表情も輝きを増していきます。楽しいことばかりではなく、けんかも揉め事も起きますが、その解決も子ども同士でやろうとする育ちを随所で見かけます。
竹の子幼稚園では、懇談会や連絡帳などでいろいろなご質問やご意見をお聞かせいただいています。その中でも、子どもが成長し、他者との関わりが増えるにつれて心配になるけんかなど、子ども同士のトラブル(?)について、取り上げてみたいと思います。園としての考えをお伝えするので、参考にしていただけましたら幸いです。
「親としては、けんかはなるべく避けたいと思うのですが」
- けんかをしても一緒に遊びたい
けんかや揉め事は、ひとつの成長過程だと思います。トラブルに至るまでの子どもの気持ちのぶつかり合いは、相手の気持ちを理解するなど、感情を豊かに育てていく上でとても大切な体験です。トラブルから子どもたちが学び取ることはたくさんあります。
実際、すぐけんかしたり揉め事を起こしたりするのに、一緒に遊びたがる子どもは実に多いです。大人が「避けたい」と思うのは「傷つけないだろうか」といったネガティブなことをいろいろと想像してしまい、心配が膨らんでしまうからだと思います。もちろん、怪我については十分に気をつけています。
「『子どものけんかには口出しするな』と言いますが、親が乗り出すべきときもあるのではないでしょうか」
子どもたちが自己主張し合っている段階では、すぐにあれこれ口出しせずに見守っていることが、まず大切だと思います。しかし物で叩こうとしたり、物を投げようとしたり、押したり、噛みついたり、心を傷つけるような言葉を言ったりしてしまうような場面では、すぐ間に入ります。そして「それはいけない」と気づかせることが必要です。
どちらかが泣いているときは、SOSのサインの場合もあると思います。しかし、一方的に相手の子どもが悪いと決めつけてしまうと、子どもの信頼を得られないことがあります。双方の話をよく聞いて判断する冷静さが大切です。「お互い様」という大らかさが、子どもを素直にさせる力にもなります。
「一方的に自分の子どもをかばい、相手の子どもを叱る親もいます。子どものけんかで大人が気をつけることは何でしょうか」
我が子の前で一方的に相手の子どもだけを責めるような言動は、自分の子どもの発達にもよい影響を与えないでしょう。子どもたちは、いろいろなところから親の姿(大人の姿)を見ています。我が子のことだと、どうしても感情的になりやすいですが、そこをぐっとおさえて冷静な態度を保つことこが大切です。そして、子ども自身を責めるのではなく、やったことの善悪を客観的に見つめましょう。
その上で、子どもたちの言い分を聞いてあげるよう穏やかに接すると、子ども自身から言葉や仕草で思いを伝えようとし始めます。するとそこから、解決の手口が見つかることがあります。「聞いてもらえるんだ」「怒ってないんだ」という安心感は、子どもを素直にするのです。
- 子どもの言葉や仕草から解決の手口が見つかる
幼児期は、いろいろな経験や体験を積む時代
大人の存在そのものが良い環境となり、何事に対してもどっしりとした心構えでいることが大切だと思います。1学期の成長が2学期に、2学期の成長が3学期に、しっかりと繋がっていくでしょう。保護者のみなさんと竹の子幼稚園とで、さらに強い協力関係ができるように願っています。